女装あなたを意識して】チャラ男の娘日記 第8日
（前回のおさらい）ドラッグストアに単身乗り込み、ついにBBクリームをゲットしようとしたチャラ男の前に、女子高校生３人組が現れた。どうするチャラ男！？
ヘビに睨まれたカエルって、あるでしょ。
なんだよ、そのたとえはよーって思ってました。で、実際にそんなヤツを見ちゃった時でも俺笑ってたんですよね。
絶対俺には無縁のシチュエーションだっと思ってた。
でも、今の俺は
まさに
ヘビに睨まれたカエル！！
カエル、
帰りたい！！
女子高生三人組は
左から、
ロン毛のヨーダ、
川に迷い込んだヒラメ
べったらに半分漬かった大根
という、マジでまとめてポイなレベル。
にもかかわらず、この状況から逃げられるなら
俺自身がポイされても
全然いい！！
と完全に尻尾を巻いてるお猿ちゃん状態だったのですよウキーキー！！
そんな俺に最初に気づいたのはヒラメだった。
こちらに顔を向けたが、あまりに目が細いから俺を見てないかもって思ったんですけど、
しっかり見てた！！
俺素早く体を商品棚に向けました！
チャラ男の顔を奴らの目に入らぬようにするために。
でもね、とんだ勘違い。
確かに奴らは俺の視界の隅に追いやられたけど、
奴らからは俺の横顔は丸見えなんですよ！！
手に持ったBBクリームも！！
ヒラメが何やら耳打ちしたらしく、視界の端っこでヨーダと大根がこっちを見るのが分かった。
チャラ男の毛穴から汗がじわーっと出てきました。
そしたら、なぜだか頭の中にどん兵衛のおあげがじゅわ?って映像がいきなり浮かんできちゃった。
この絶望的状況から逃避するために、俺の脳がきっと頑張って送り込んできたんですね！
そんなことより、素敵なアイディアをくれ！！
三人組はコショコショ笑った次の瞬間、
「ヤッベー！！！」
と叫びやがった。
誰だよ！！
マジでコロス
しかし今チャラ男が女子高生の方を向いたら、
「そうです僕がヤバい人です」
と認めるようなもの！
いや俺が認めようが認めまいが、
きっと奴らの中で、
ヤバい人であることは確定済み！
チャラ男、ただた尽くすのみ！
あはは、えー、ふふっ、いやいやないっしょ、はは、まーね
店内のBGMが俺の耳を通り抜けていく。
女子高生という残酷な天使のラップと共に。
俺の目の前にはファンデーションの棚。
ほんといろんなのがあるんだな。
一個一個が波に見える。
新しい未来へと続く海。
‥‥、
チャラ男の脳がカタカタと作動した。
【残酷な天使】
カタカタ
【残酷な天使のテーゼ】
カタカタ
【テーゼ】
意味：定立
【定立】
意味：肯定的判断、命題
はっはー、俺なんか大事なコトに気づきましたよ！！なーにびびってたんだか！
そうして、チャラ男は女子高生の方へと顔を向けたんですよ！
続きは第9回 チャラ男の娘日記 で。(2016年7月14日配信)
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