第40回 「乱行さんいらっしゃい!悪魔の招待状!クライマックスシリーズ5」色情スパイラル

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とある会社員の張り込みを依頼された中川がその名前を聞かされた時、脳裏に浮かんだのは相田美沙だった。
そして、翌朝尾行した先が美沙の住む同じ経堂のマンションだったことで、相田行雄と相田美沙が親子であることを確信したのである。
これを後日知らされた信二は欣喜雀躍し、隠し撮りした相田の女装写真を美沙の携帯に送信した。

いくら化粧していようと、実の親子ならば一目で気がつくはずだ。

そんな信二の思惑通り、美沙は父行雄の隠された顔を知ることとなったのである。

それによってどのような現象が起こるかは信二にも予想がつかなかった。
ダイが美沙の家を訪れた際、家族の気配を感じたものの、美沙の部屋への呼びかけは一切なかったのである。
よって相田家がすでに破綻している可能性は十分にあった。

だが、これから行われる乱行の現場で顔を合わせるとなればタダでは済むまい。

裸の父と娘が互いの顔を凝視したまま硬直している様を想像した信二は、その様子をあますことなく写真と動画に収めてやろうとまた黒い欲望に胸を熱くするのだった。
乱行には十数人が投入される予定だった。現在ゆすっているカモから10人、これに会費50万円で参加する常連の好事家を偶数人加える。「逃げられぬ運命共同体」という意識にさせるには総勢12人か14人が妥当だろうと信二と中川は話した。

こうして9月14日、あられもない自身の痴態の写真と共に乱行の招待メールが各ターゲットの元に届けられたのである。人目に自分の恥をバラまられたくないという心理をついた恐喝である。しかし乱行に参加することで、更なる痴態を大勢の人間の前に晒すのであるから、それはあまりにも盲目的、かつ悲しくも滑稽な矛盾なのであった。

だが、誰一人として断れる者はいなかったのである。

相田美沙は渋谷にいた。TSUTAYAに二階のスターバックスコーヒーからスクランブル交差点を見下ろしていた。

田口浩史は病院のベッドから脱出を試みようとしていた。

そしてこの田口浩史、すなわち巨漢の女装家ダイブツが長年書き記したメイクノート。

それを今持っているのは

彼から託されたあのチャラい若者ではなかった。

それは、

一人の美しいキャバ嬢の手元にあった。

彼女はノートを見ながらメイクを直していた。

美沙がいるこの同じ空間で。

信号が変わり、スクランブル交差点に人がなだれこんだ。
大勢の人間が向こう岸だけを目指し、触れ合うことなくすれ違っていく。

だが、この二人はこれから運命の糸で交わろうとしていたのである。

 

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