ラブホテルに残されたウィッグ】チャラ男の娘日記 第26日

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トイレからそーっと出た瞬間、ブワッと香水の香りが鼻をついて、
後ろから首根っこを思いっきり掴まれた。

うぎぃっ!!!

え!?誰もいなくなったんじゃないの!?

いたんだ!!
でもブー子じゃない。
ブー子の香りじゃない。

こんな香水つけているやつは絶対に悪いヤツしかいない。
危険な香り!四六時中嗅いでたら脳が溶けちゃう、そんな香り。
ヤバイ!ヤバイよ!!!
首にグイグイと食い込む指のハンパない力と敵意。

誰?
誰なんだよおおおお!!!

ひょっとして、
HEYメーン!??
でもそんなはずはっ!

ぶるぶるぶるぶる!

全身鳥肌状態で首根っこを掴まれている俺は工場で吊られた鶏肉と化しました。

ぶるぶるぶるぶる!!

プルルルルルルルル

部屋の電話はまだ鳴っている。

早く、早くぅ、

フロントさん助けてぃっ!!

後ろの人間が誰だか確かめようなんて気は微塵も起こらない。
怖い。
後ろ振り返ったら、絶対怖くて痛いこと起きちゃう。

俺は無抵抗のまま部屋へと連れていかれました。

冷や汗ってやつでしょ、これ。
首筋、脇、背中から出てくる出てくる。エアコンの風が冷たい。あ、額からも汗落ちてきた。

さっき最後にブー子が話していたのはHEYメーンじゃなかったのか?トラブっていたのは別の知り合い!?

だけど、このタイミングで誰かが部屋に入ってくるなんてことはあり得ないでしょーよお!!
ホテルのシステム上不可能なはずでしょーよおおおって!

プルルルルルル

ルルっ

止んだ。

部屋にはブー子はいませんでした。

だけどぐしゃっとなったベッドの上には、
ブー子の服がありました。

え?

プルルルルルル

受話器を取り上げる手が俺の視界に入る。
ゴツい指輪はついてない。

「もしもし」

その声は

紛れもなくHEYメーン‥!!

そんな馬鹿な!!!!うあああああああああああ!!!
地獄が俺の首根っこを掴んでいる。

何が起きるんだよおお!!!!

そしてブー子の服の横に転がっているものを見て
更なる混乱へと陥るのでした。

ブー子の服の横に転がっていたもの

それはまさにブー子と同じスタイルのものでした。

う、ウィッグ‥!!!

続きは第27回 チャラ男の娘日記 で。(2016年8月1日配信)

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